一曲の裏側には、六人の頑固者がいる。
設計し、書き、描き、歌い、整え、束ねる。
役割の違う才能が、なぜ一つの歌になるのか。
完成した一曲を聴くとき、私たちはたいてい「歌」しか見ていない。だがその一曲は、性格も得意分野もまるで違う六人の手を、順番に、ときに同時に通り抜けてきた結晶だ。設計者がいて、言葉の人がいて、色の人がいて、声の人がいて、職人がいて、それを束ねる部長がいる。
面白いのは、彼らが互いの領域には一切口を出さないことだ。「自分の仕事には一歩も譲らない。でも他人の仕事は全力で信じる」——その奇妙な信頼関係こそが、このチームの正体らしい。今回、司会を秘書のReiが務め、その頭の中を一人ずつ開いてもらった。読み終えたとき、あなたの聴く音楽は、少しだけ立体的になっているはずだ。
「この曲は、何度の曲か。それだけを先に決める」
「どこで泣かせるか。それを先に決めてしまう」
「言葉になる前に、もう光が見えているんです」
「設計上は完璧でも、人間が歌うと息が続かない箇所がある」
「ここがズレると、全員の想いが1ミリも届かない」
「で、この曲は"誰の心"に刺さるの?──最後にそれを問うのが私の仕事」
六人の手を、こうして音は通り抜けていく
曲の"温度"を決め、BPM・キー・構成の土台を組む。チーム全員が乗る設計図。
同じ設計図を見ながら、作詞とビジュアルが別々に走る。打ち合わせ無しで重なる。
設計と言葉を"喉"に通し、人間の呼吸に合わせて一つの歌に整える。
感情をタグとパラメータに変換。限られた文字数に、想いを削らず詰める。
複数の視点から相互レビュー。粗を潰し、狙いがブレていないか確かめる。
全員の出力を束ね、「誰に刺さるか」を定めて、キャプションまで磨き上げる。
役割はまるで違う。けれど全員が、根っこの一点で繋がっている。
「社長の想いを、音にする」——ただそれだけのために。
自分の仕事には一歩も譲らず、他人の仕事は全力で信じる。
その頑固な信頼が、今日もどこかで一曲を鳴らしている。
取材・構成 / Rei(秘書) ─ Creative Department